顧客と話していると、「特許権とは何か」について誤解している人が少なくありません。
少なくとも、「自分の事業をカバーする特許を持っているから、自分の事業が他人の特許を侵害することはない」とする論理は、特許の世界には、ありません。
つまり、特許には、自分の事業を他人の特許から「守る(防御する)」機能は少なくとも法律的にはありません。侵害だと主張してきた相手企業が、もし、たまたま自社の特許を侵害していたなら、その交渉や裁判の中でクロスライセンスや反訴に持ち込むなどして間接的に自分の事業を守れるかも知れないという意味での「事実上」の防御機能はあり得るとしても。
特許は、少なくとも法律的には、他人の事業を攻撃するという、核兵器と同じような攻撃専用のツール・武器でしかないのです。
つまり、特許には、確かに、「他人の事業(実施)を攻撃できる=他人に特許内容を実施させない」という消極的な意味での「独占」機能(「排他権」という意味での独占権)は、あります。
しかし、特許は、「他人の事業(実施)を攻撃できる」だけのもので、「自分が特許の内容を適法に実施できる=自分が特許の内容を実施しても他人の特許を侵害しない」ことは、全く保証していないのです。だから、もし、特許侵害訴訟で、被告側が、「自分(被告)の製品は自分(被告)の特許権に係る発明(特許発明)の実施によるものだ」と主張したとしても、それは、全く意味がない(「理由付否認」にも「抗弁」にもならない)主張となります。
このような考え方(通説判例)からは「利用関係・利用発明」に関する特許法72条は当然のことを確認した規定ということになります。
このように、特許権の本質は「排他権」にあります。
その点が、「専用権」を本質とする商標権とは違うところです。商標権は「専用権」なので、商標登録されている商標であれば、それを使用することについては適法性が保証されます。
参考文献:「特許訴訟に勝つ方法」(木村耕太郎著)
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少なくとも、「自分の事業をカバーする特許を持っているから、自分の事業が他人の特許を侵害することはない」とする論理は、特許の世界には、ありません。
つまり、特許には、自分の事業を他人の特許から「守る(防御する)」機能は少なくとも法律的にはありません。侵害だと主張してきた相手企業が、もし、たまたま自社の特許を侵害していたなら、その交渉や裁判の中でクロスライセンスや反訴に持ち込むなどして間接的に自分の事業を守れるかも知れないという意味での「事実上」の防御機能はあり得るとしても。
特許は、少なくとも法律的には、他人の事業を攻撃するという、核兵器と同じような攻撃専用のツール・武器でしかないのです。
つまり、特許には、確かに、「他人の事業(実施)を攻撃できる=他人に特許内容を実施させない」という消極的な意味での「独占」機能(「排他権」という意味での独占権)は、あります。
しかし、特許は、「他人の事業(実施)を攻撃できる」だけのもので、「自分が特許の内容を適法に実施できる=自分が特許の内容を実施しても他人の特許を侵害しない」ことは、全く保証していないのです。だから、もし、特許侵害訴訟で、被告側が、「自分(被告)の製品は自分(被告)の特許権に係る発明(特許発明)の実施によるものだ」と主張したとしても、それは、全く意味がない(「理由付否認」にも「抗弁」にもならない)主張となります。
このような考え方(通説判例)からは「利用関係・利用発明」に関する特許法72条は当然のことを確認した規定ということになります。
このように、特許権の本質は「排他権」にあります。
その点が、「専用権」を本質とする商標権とは違うところです。商標権は「専用権」なので、商標登録されている商標であれば、それを使用することについては適法性が保証されます。
参考文献:「特許訴訟に勝つ方法」(木村耕太郎著)
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