産経ニュース2010.3.25 退職後に競合会社、元の顧客から受注は「自由競争の範囲」最高裁
機械部品製造会社を退職した従業員が、競合する業種の会社を始め、元の勤務先の取引相手に営業し、受注した行為が不法行為にあたるかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)は25日、「自由競争の範囲を逸脱した違法なものとはいえない」との判断を示した。その上で、競合会社側に賠償を命じた2審名古屋高裁判決を破棄、元の勤務先側の訴えを退けた。
同小法廷は「競合会社側が元の勤務先での人間関係を利用することを超えて、元勤務先の秘密情報を使ったり、信用をおとしめたりするなどの不法な方法で、営業活動を行ったとは認められない」と指摘した。
退職後に競合会社を起業したり競合会社に転職して、元の会社のときに知り合いだった顧客(名刺交換をするなどして交流があった顧客)に「よろしく」と営業をかけるのはよくあることなので、その程度のことは自由競争の範囲内だとしたものと思います。
これと違って、元勤務先の営業秘密である顧客リストを持ち出して、その顧客リストからDMを発送したなどの場合は、不正競争防止法違反(営業秘密の侵害)の不法行為を構成することになります。
企業側の対策としては、予め、経営幹部などに対して、退職後3〜5年程度の競業避止義務を誓約書の提出などで約束させておくことにより、退職して直ぐ競合会社に転職したり競業会社を起業したりすることを防止することができるでしょう。
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