2012年09月25日

「赤い靴底」のトレードドレスと特許出願

赤い靴96dpi .jpg「赤い靴底」は商標 仏ブランドの主張認める 2012/9/6付けSankeiBiz
あでやかな赤い靴底で有名なフランスの靴ブランド「クリスチャン・ルブタン」が、靴底に赤い色を用いるデザインを同社独自の商標と認めるよう主張していた裁判で、ニューヨークの連邦高裁は5日、商標と認める判断を示した。(中略)ただし商標と認められるのは靴底だけが赤く、他の部分が別の色でコントラストがある場合に限るとした。靴底と他の部分の色の対比が制作者の独自性と判断した。(中略)訴訟ではフランスの高級ブランド大手イブ・サンローランの全体が赤いハイヒールが、ルブタンの権利を侵害しているかどうかが争われた。判決は、赤い色が靴底のみでない場合ルブタンに認めた権利の対象にならないとし、サンローランの靴の販売継続は認めた。
※上の写真(クリスチャン・ルブタンの靴=AFP時事)は朝日新聞からの引用です。http://www.asahi.com/international/update/0906/TKY201209060240.html

2週間余り前の記事ですが、気になったことを記しておきます。
日本でも、「靴底に赤色を用いるデザイン」(商品等表示)を長年使用して周知性を獲得した場合、不正競争防止法上の保護が認められる可能性はあります(不正競争防止法2条1項1号)。

しかし、確かに米国のトレードドレス(直訳すると「商品の衣服」ですが、上記の記事中の米国の「商標」とはトレードドレスのことだろうと思います。追記:米国では商品の色彩も商標登録されますのでこの靴底の赤色も商標登録されているのかもしれません。)や日本の不正競争防止法による保護は可能だとしても、それだけでなく、さらにより強い保護の可能性を探求するなら、米国でも日本でも、斬新なアイデアだとして特許出願することも可能だったのではないでしょうか。

靴底だけを他の部分とコントラストのある赤色などの鮮やかな色とすることにより、靴底なので通常は見えないがたまたま見えたとき人の目を強く惹き付けるという視覚的ないし物理的効果(広い意味での)があると言えますので、「発明性」は認められるだろうと思います。
そして、この「赤い靴底」が開発された当時(ルブタンは1992年から赤い靴底の靴を販売開始)、まだ世の中にそのような実例も発想も無かったとしたら、「進歩性」についても認められる可能性はあるでしょう。

特に、靴底が磨り減っても「赤色」が消えないようにする工夫などを付加すれば可能性はより高くなると思いますが、そこまで限定しなくても、「靴底の材料からは通常在り得ないような赤色などの目立つ色であって靴の他の部分とは異なる色を、靴底の色としたことを特徴とする靴」というようなクレームで特許出願すれば特許が認められる可能性は相当程度あったのではと思います。

まぁあり得ないことですけど、もし当時この「赤い靴底」の話が持ち込まれたとしたら、私だったら、特許出願を勧めたでしょうね。

posted by mkuji at 00:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 発想力の発明
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