2010年02月17日

生物模倣



基本特許の元になる基本発明(パイオニア発明)の手法・法則の一つに生物模倣がありますが、これについて日経産業新聞2010/2/10の記事「2030年への挑戦 次世代産業技術 生物模倣」の記事が面白かったので、その中の一部を少し紹介というか、メモ的に記しておきます。


生物模倣の主な例として、次の5つが挙げられています。


1 トヨタ自動車と東北大の共同研究による「バッタの足裏」の構造を模倣した「低摩擦自動車部品」


東北大の下村正嗣教授がトヨタと2003年からエンジンやトランスミッションの摩擦を抑える研究に取り組み、「平らな六角形が集まった表面構造の膜」を部品の表面に張ったところ、摩擦が大幅に低減したとのことです(もともと、モノ同士の摩擦は平坦より凹凸が有る方が小さくなることは知られていた)。


なお、この「平らな六角形が集まった表面構造」がバッタの足裏の構造とそっくりだったことは、開発した後で分かったそうです。


2 富士フィルムによる「ハチの巣(ハニカム)」の構造を模倣した「医療用癒着防止フィルム」


3 日東電工による「ヤモリの足裏」の構造を模倣した「工業用強力テープ」


4 帝人デュポンフィルムによる「タマムシ、チョウ、クジャクの羽」の構造を模倣した「装飾用カラーフィルム」


5 三菱レイヨンによる「蛾の目」の構造を模倣した「液晶などの反射防止フィルム」


記事の紹介は以上ですが、ルネサンス時代のレオナルド・ダ・ビンチが鳥や魚を模倣した飛行機や船のアイデア図を描いていたのは有名ですね(飛行機について、ダ・ビンチは鳥が羽ばたく動作を模倣した「羽ばたき機械」のアイデアを出しただけでした。その後、19世紀中頃に、英国のジョージ・ケイリーが、鳥が羽を固定したまま風を受けて上昇飛行するのを観察して、「固定翼による飛行機」=「固定翼を上方に押し上げる揚力と、固定翼を前方に推し進める推力と、の基本的な2つの力により飛行する飛行機」を初めて考案しました。その後、20世紀初頭の1903年に米国のライト兄弟がフライヤー1号で世界初の有人動力飛行に成功しました)。


生物が長年の淘汰・進化の歴史の中で改良してきた「環境や生存に適合した構造」を参考にすることは、昔から基本発明の手法・法則の定番だと言えますね。


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posted by mkuji at 01:51| Comment(2) | TrackBack(0) | 基本発明の手法
この記事へのコメント
面白いですね。<br>確かに昆虫なんかあんなに小さいのに<br>あんなことできたり、こんなことできたり、すごいなって思うときがあります。
Posted by hikasu at 2010年02月17日 16:59
hikasuさん<br>こんにちは<br>犬の鼻やコウモリの超音波や蚊の二酸化炭素センサなどもすごいですよね。<br>人形ロボットも人間の形の模倣だし、まぁ技術のほとんどはそうなのかもしれませんね。
Posted by mkuji at 2010年02月17日 17:28
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