2012年02月26日

古代のお金の発明が社会の格差と二極化を生み出した(NHKスペシャル「HUMAN ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか 」)

今日の夜9時からのNHKスペシャルは、「HUMAN ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか 」というタイトルの4回目、ヒトが人間になった理由の一つにお金があったという話でした。

番組では、お金が生まれる前の社会として、現在もまだほとんどお金を使っていない地域(カメルーンの一地方)が紹介されていましたが、そこは完全な平等・横並びの社会でした。

毎日がその日暮らしで不安定で、いつ自分が病気などになるか分からないので、コミュニティの全員と仲良く協力して暮らしていくしかない。だから、1人が取った獲物は必ず全員に平等に分配する。自分の獲物を蓄えたりすると、皆から非難されるので、獲物は残さず全て皆に分配する。だから、蓄えはない。その日暮らし。他人に抜きん出てやろうという人が出にくい発展のない社会。日本にもあった昔の村社会という感じですね。

このようなお金のない社会から、交換が始まりました(交換は他者を信頼しないとできないので、他者を信頼できない他の動物の世界では交換はないそうです)。その交換のために、最初は麦、貝殻、羊などがお金として使われるようになり、その後、紀元前5世紀頃から古代アテナイなどで金貨が生まれました。その結果、個人個人が自分の才覚で生きる時代が幕開け。都市が生まれ、職業が生まれ、社会が発展しましたが、格差も生まれました。

・・・私の印象としてこういう古代からの歴史の流れを辿る番組でした。

今、日本でも欧米でも韓国でも、社会の格差と二極化の拡大、中間層の没落が大きな問題となっています。その原因は主に、グローバル化とIT化の2つだと言われてきました。中国、インド、ロシアなどの膨大な人口を抱える新興国の国民と競争する過程では賃金が世界的に平準化するため先進国の賃金が下がるのは必然であること、IT化で従来の事務仕事がコンピュータに代替されたためコンピュータが容易に代替できない高報酬の頭脳労働か低賃金のサービス業だけになったことなどが原因だとされてきました。

しかし、そのようなグローバル化とIT化さえも、ヒト(HUMAN)が古代にお金を発明したことからくる必然の流れの中の1コマに過ぎないのではないかと、この番組を見ながら感じました。
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posted by mkuji at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑談