「当接」と「固定」、どちらも明細書ではよく使われている言葉で、違うのは当たり前です。
でも、裁判で、それらの言葉が実際にどのように理解されているのか。
平成21年(行ケ)第10377号知財高裁判決をみると、この辺のことがきっちり議論されてました。
この判決では、「当接」とは、ある部材と他の部材とが「当たり接している」状態を表現しているのみであって、ある部材の他の部材への「固定」(「当接状態を維持する構成」)を含むものと直ちに解することはできない、としています。
こういう判決を見ると、明細書を書く者としては、何となく安心しますね。
以下、平成21年(行ケ)第10377号判決の一部(11頁以下)を引用しておきます。
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でも、裁判で、それらの言葉が実際にどのように理解されているのか。
平成21年(行ケ)第10377号知財高裁判決をみると、この辺のことがきっちり議論されてました。
この判決では、「当接」とは、ある部材と他の部材とが「当たり接している」状態を表現しているのみであって、ある部材の他の部材への「固定」(「当接状態を維持する構成」)を含むものと直ちに解することはできない、としています。
こういう判決を見ると、明細書を書く者としては、何となく安心しますね。
以下、平成21年(行ケ)第10377号判決の一部(11頁以下)を引用しておきます。
そこで,前記(1)の条件との関係で引用発明1の操作ボルトの構成をみると,引用例1の記載によれば,操作ボルトは,水道管側(下側)のマウントに水道管側から「当接」しているものとされている(引用例1の11頁17行)。
そして,ここにいう「当接」の意義について検討すると,そもそも引用例1にいう「当接」との文言は,上記部分を除くいずれの用例においても,ある部材と他の部材とが「当たり接している」状態を表現しているのみであって,上記部分だけが原告の主張するような「当接状態の維持」を含むものとは直ちに解されない。かえって,引用例1では,例えば消火栓側(上側)のフランジを筒状本体にセットボルトで「固定」する(引用例1の11頁14行)など,ある部材と他の部材とが原告の主張するような当接状態を維持する構成である場合には,「当接」とは明確に異なる文言が使用されていることに照らすと,操作ボルトとマウントとの上記「当接」が「当接状態の維持」を含むものと解するのは困難である。
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