2010年03月10日

無料ビジネス



今日のクローズアップ現代の「無料ビジネスの舞台裏」、途中から見ただけでしたが、印象に残りました。


グーグルが米国でやってる無料の電話番号案内サービスは、多数のユーザーがタダで入力してくれる膨大な音声のパターンを収集・データベース化して今後の音声認識サービスに利用する狙いだろうということでした。こういうビジネスモデルはグーグル日本語入力(無料の検索エンジンに入力された膨大な文字とその読みを収集・データベース化して日本語入力システムを提供)も同じですね。


米国ベンチャーが医療機関に提供している無料の電子カルテサービスは、後で個人情報を除いた診療情報(病名、処方薬、薬の副作用、診療経過など)をデータベース化して製薬会社や保険会社に販売して儲けるのが狙いとのことです。


これらは、ポータルサイトの「他社への有料広告枠の販売」というビジネスモデルではなく、「自らの将来の儲け」を元手にして現在の無料サービスを提供するというビジネスモデルです。


それ以外に、多数のユーザーを無料で集めながら(フリー)一部のユーザーから課金する(プレミアム)、これにより一部の顧客からの収益で残りの多数の顧客への無料サービスを支えるという「フリーミアム」(「フリー」の著者クリス・アンダーソンの造語)のビジネスモデルも紹介されていました(スカイプ、アイテム課金で儲ける無料ゲームなど)。


もともと「ビジネスモデル」という言葉が流行し始めたのはネットでの無料ビジネスが始まってからのような気がします。どこで儲けるのかという問題意識からビジネスモデルが注目され始めたのでは。違うかもしれませんが(携帯電話を無料でばら撒くビジネスもかつてありましたからネットだけではないですね)。


「1円」とは全く違う「タダ」「無料」の魅力について、行動経済学の学者が解説していました。


近年のデフレ基調は、隣りの中国の影響(グローバル化)だけでなく、ネットの影響(無料サービスの台頭など)も大きな要因なんでしょうね。


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posted by mkuji at 21:53| Comment(4) | TrackBack(0) | 雑談